先日、友人のピアニスト清水武志君と有吉佐和子の「紀ノ川」の話になり、若い頃にTVで見たのですが、もう記憶の彼方。で、その夜Amazonで見つけたので買ってしまいました。 撮影は1966年。僕は七歳、小学一年生。まさに高度成長期真っ只中。紀ノ川が汚れてしまう寸前です。 紀ノ川は僕の棲家。夏休みなんて朝「行って来ます」って言ったきり夕方まで紀ノ川につかってました。僕は河童でした、いや原始人かも。エレイン・モーガン言うところの水棲猿人のような・・ 最も古い記憶の頃。親父と僕と弟で紀ノ川に遊びに行った時のこと。幼稚園に入る前かもしれません。 紀ノ川の本流から少し離れた流れ、あの頃砕石船が掘った淀みがあちらこちらにありました。水は澄み切っていて底が透けて見えています。僕はまだ一人で泳げる年齢じゃなかった気がする。何を思ったか頭から飛び込んだのです。親父と弟は少し離れたところに居たのですが、僕はもちろん泳げませんから沈んでいきます。どんどん水の底に沈んでいく・・上を見上げれば水面に水が反射してキラキラとそれはそれは綺麗でした。今でもはっきり思い出せる。子供心に「ああ、もうだめだな」と思いました。その気持ちもはっきり覚えてる。そうこうするうちに、水底に足が着き、「エイ」と蹴った勢いで再び浮上しだし水面に顔を出したところで親父に抱きかかえられました。 この思い出はけっして恐い記憶ではなくて、美しい記憶として僕の中にあります。紀ノ川ではそのほかにも数々の思い出がある。 そんな記憶と同じ頃、1960年代の紀ノ川。度々映る最初が峰、寺山、竜門山。子供の頃いつも目の前にあった風景でした。 最初のシーン、主人公が上流の九度山から下流の六十谷へ船で嫁入りするシーン。音楽は武満徹。圧巻です。ものすごく美しいシーン。しかも大好きな司葉子。166分を一気に見てしまいました。DVD買って良かった。親父とお袋にも見せよう。 ごめんなさい、あらすじ等はグーグルにて・・。
by xou99
| 2012-02-18 22:23
| 色々と、
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